住まいは「主張」ではなく「環境」
住まいは、何かを強く主張するためのものではなく、日々の暮らしを静かに受け止める環境に近い存在です。
音、温度、光、空間の距離感。
それぞれが目立ちすぎることなく、全体として破綻がない。
意識しなくても、身体が自然になじんでいく。
私たちが提案する「Like a hotel」は、非日常的な暮らしを目指すためのコンセプトではありません。日常を特別に見せるための装飾や設備を指しているわけでもありません。
ここで言う「Like a hotel」とは、住まいの設備や見た目ではなく、「状態」そのものを指しています。

この視点の背景には、建築を「かたち」ではなく人の振る舞いや感覚が生まれる場として捉える設計者の思想があります。

状態としての住まいを、どうつくるか
「Like a hotel」という考え方の出発点は、建築を「かたち」としてではなく、人の振る舞いや感覚が生まれる場として捉える視点にあります。
空間は、完成した瞬間に終わるものではありません。人が使い、時間を重ねる中で、少しずつ整っていくものです。
そのため、最初からすべてを決めすぎない。余白を残しながら、環境としての完成度を高めていく。それが、長く心地よさが続く住まいにつながると考えています。

設計と施工を分けない理由
小山木材では、この考え方を住宅として成立させるために、設計と施工を分けず、一つの流れとして向き合っています。
図面上の美しさだけでは、空間の落ち着きは生まれません。現場での判断、素材の扱い、納まりの精度、目に見えない部分での積み重ねが、最終的な「状態」をつくります。
だからこそ、設計意図を理解したうえで施工まで担う体制が重要だと考えています。
長野という環境の中で
この「Like a hotel」という考え方は、設計士・深山知子氏の空間思想を共有しながら、小山木材が長野の地で住宅としてかたちにしたものです。
四季の移ろいがはっきりしており、自然と都市の距離感が程よく保たれた長野の環境では、音や光、温度の変化が、意識せずとも暮らしに影響します。
だからこそ、「状態としての住まい」を考える余地がある。Like a hotel は、そうした環境の中で、日々の暮らしを静かに整えていくための住宅です。