ヒートショックが起こるしくみ
なぜ冬場に、ヒートショックを引き起こす事例が多くなるのでしょうか。
ヒートショックは、おもに家の中の温度差が大きな要因と云われます。真冬は、暖房をつけている暖かい部屋と暖房をつけていない浴室やトイレの温度差は、10℃を超えるといわれています。暖かい部屋から寒い浴室に移動すると、体は室温の急激な変化から体温を調節するために、ブルブルと筋肉を震わせて熱を作ります。
同時に血管を細くして、皮膚の下に流れる血液の量を減らし、体の熱を外に逃がさないように調節します。血管が縮むと、血液が流れにくくなるので、血圧は急上昇します。
しかし、浴槽の温かい湯につかることで、血管は拡張し、急上昇した血圧が、今度は急激に低下してしまうのです。
その後も、浴槽から出て身体を洗い、あるいは熱い湯船からいきなり出て寒い脱衣所に移動することなど、一連の入浴行動の中で血圧は急激に大きく変動します。血圧が低下することでめまいやふらつきが起き、または意識を失って、転倒や溺死という結果を引き起こすこともあるのです。
交通事故死の2倍
厚生労働省人口動態統計(令和3年)によると、高齢者の浴槽内での不慮の溺死及び溺水の死亡者数は4,750 人で交通事故死亡者数2,150 人の約2倍です。(※)消費者庁「無理せず対策 高齢者の不慮の事故」(令和4年12月)
また、東京都健康長寿医療センター研究所の2014年の調査によれば、外気温が低くなる1月は、入浴中に心肺機能停止となる人が最も少ない8月のおよそ11倍で、この増加の原因はヒートショックによるものとしています。
入浴中のヒートショック等では、その意識障害により、浴槽に倒れ、沈み込んで溺死する、というパターンが多いといわれています。
ヒートショックを防ぐには
入浴中の事故は、持病や前兆がない場合でも起こるおそれがあります。「自分は元気だから大丈夫」と過信せず、「自分にも起きるかもしれない」という予防意識をもちましょう。高齢者だけでなく、家族みんなで、次の六つの対策を心がけましょう。
① 入浴前に脱衣所や浴室を暖めておく。
② 湯温は 41 度以下、お湯につかる時間は 10 分までを目安にする。
③ 浴槽から急に立ち上がらない。
④ 食後すぐの入浴や、飲酒後、医薬品服用後の入浴は避ける。
⑤ お風呂に入る前に、同居する家族にひと声かける。
⑥ 家族は入浴中の高齢者の動向に注意する。
前述したように気温差による急激な血圧変動が、ヒートショックの最大の要因だと考えられています。
どのご家庭も改めて、脱衣所やトイレ、浴室などの温度環境の見直しをお勧めします。
「健康寿命を延ばす家」を念頭に構築したファース工法は、家の中で急激な温度差とならない環境づくりが、ヒートショック予防につながっています。
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